犬用歯磨きジェルの選び方|成分表示の見方と使い方の手順
文:ANIMALITY JOURNAL 編集部(株式会社あにまる製薬)
犬用の歯磨きジェルを選ぶときは、犬が飲み込んでも問題のない原料か、味やにおいを嫌がらないか、使う道具に合うかを確かめます。成分表示で見るところ、ペースト・液体との違い、ガーゼや指から始める使い方、人間用を使ってはいけない理由をまとめました。
KEY POINTSこの記事のポイント
- 犬は口をすすげないため、飲み込む前提でつくられた犬用のジェルを選びます。
- 原材料の表示、味とにおい、対象年齢、使う道具との相性の4点を確かめます。
- 最初はガーゼや指にのせてなめさせ、口に触れられることに慣らしていきます。
犬用の歯磨き剤には、ジェル、ペースト、液体、泡タイプなどがあります。なかでもジェルは、指やガーゼにのせやすく、なめさせるところから始められるため、歯磨きをはじめたばかりの家庭で選ばれることが多いタイプです。
ただ、店頭や通販には多くの商品が並んでいて、どれを選べばよいか迷う方も多いはずです。この記事では、犬用歯磨きジェルを選ぶときに確かめたい点と、成分表示の見方、実際の使い方の手順を順に整理します。歯磨きそのものの慣らし方は、犬の歯磨きを嫌がるときのやり方で詳しく紹介しています。
歯磨きジェルの役割
最初に押さえておきたいのは、ジェルは歯磨きを続けやすくするための道具だという点です。歯の表面につく歯垢は、歯ブラシやガーゼでこすって落とすのが基本です。
ジェルには、次のような役割があります。
- 犬が好む味やにおいで、口に触れられる時間を楽しいものにする
- 歯ブラシやガーゼのすべりをよくし、口の中を傷つけにくくする
- 毎日のケアのきっかけをつくる
歯磨きを嫌がる犬にとって、いきなり歯ブラシを入れられるのは大きな負担です。ジェルをなめさせるところから始めると、口元に手が近づくことへの抵抗が小さくなります。
選ぶときに確かめたい4つの点
| 確かめること | 見るところ | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 犬用であること | 商品名・対象動物の表示 | 「犬用」「犬猫用」と書かれている |
| 原材料 | 成分表示・原材料名 | 何が入っているか表示されている。キシリトールなど犬に合わない成分がない |
| 味とにおい | 商品説明 | 犬が嫌がりにくい風味か。最初は少量で試す |
| 使い方 | 用法の表示 | 指・ガーゼ・歯ブラシのどれで使うか、1日の回数 |
犬が飲み込む前提でつくられているか
犬は人のように口をすすいで吐き出すことができません。口に入れたものは、そのまま飲み込むと考えてください。犬用として販売されている製品は、この前提でつくられています。人間用の歯磨き粉は使わないでください。
原材料が表示されているか
原材料がきちんと表示されているかを確認します。聞き慣れない成分が多いときは、メーカーの説明を読んだり、かかりつけの獣医師に聞いたりすると安心です。アレルギーのある犬は、原材料に苦手なものが含まれていないかも見ておきます。
味とにおいが合うか
同じジェルでも、好む犬と嫌がる犬がいます。最初から大容量を買わず、少量で試せるものを選ぶか、まずは数日なめさせて反応を見てください。
使う道具と合っているか
ジェルは指やガーゼと組み合わせやすく、ペーストは歯ブラシにのせやすい傾向があります。液体タイプは歯ブラシにしみこませて使うものが多くあります。いま使っている道具、これから使いたい道具に合わせて選びます。
ジェル・ペースト・液体の違い
| タイプ | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ジェル | やわらかく、指やガーゼにのせやすい | 歯磨きをはじめたばかり。なめさせて慣らしたい |
| ペースト | やや固めで、歯ブラシの上にとどまりやすい | 歯ブラシに慣れてきた |
| 液体 | 歯ブラシやガーゼにしみこませる | 量を調整しながら使いたい |
どのタイプが正解というより、犬の慣れ具合に合わせて選ぶものです。最初はジェル、慣れたら歯ブラシと組み合わせる、という順に進める家庭も多くあります。
歯磨きジェルの使い方の手順
- 犬が落ち着いている時間を選ぶ(散歩のあとや寝る前など)
- ジェルを米粒からあずき大ほど指にのせ、そのままなめさせる
- 慣れてきたら、指にのせたジェルを前歯の表面にそっとつける
- 次の段階では、指に巻いたガーゼにジェルをつけ、犬歯や奥歯の外側をなでる
- ガーゼを嫌がらなくなったら、歯ブラシにジェルをつけて数本ずつ磨く
- 終わったら褒め、短い時間で切り上げる
1つの段階に数日から1週間ほどかけ、犬が嫌がらなくなってから次へ進みます。途中で嫌がったら、1つ前の段階に戻ってください。
続けるためのコツ
- 毎日同じ時間、同じ場所で行う
- 最初は前歯の数本だけで終える
- 歯磨きのあとに散歩や遊びなど、犬の好きなことを続ける
- 家族で手順をそろえ、誰がやっても同じ流れにする
こんなときは動物病院へ
口の中で起きている変化の見分け方は、犬の歯周病の症状とサインにまとめています。歯石が気になる場合は犬の歯石は自宅で取れるかもあわせて読んでください。
まとめ:最初の1本の選び方
はじめての1本は、犬用であること、原材料が表示されていること、犬が嫌がらない味であること、指やガーゼでも使えることの4点で選ぶと迷いにくくなります。
あにまる製薬の ANIMAL DENTIST(犬用歯磨きジェル)は、ガーゼや指につけてなめさせるところから始められるように設計したジェルです。歯ブラシが苦手な犬の、歯みがきの習慣づくりの選択肢のひとつとして検討してみてください。お口まわりのケア全体はお口・歯のケアで順にまとめています。
よくある質問
人間用の歯磨き粉を犬に使ってもよいですか。
使わないでください。人間用は吐き出すことを前提にしており、犬が飲み込むと体に合わない成分が含まれていることがあります。キシリトールを含む製品は犬にとって危険とされています。犬用として販売されているものを選んでください。
歯磨きジェルだけで歯磨きの代わりになりますか。
ジェルは歯ブラシやガーゼでのケアを続けやすくするためのものです。歯の表面の汚れは、こすって落とすのが基本です。まずはジェルで口に触れる習慣をつくり、慣れてきたら歯ブラシへ進むのが現実的です。
1日に何回使えばよいですか。
製品ごとに目安が決まっているので、パッケージの表示に従ってください。歯垢は毎日少しずつたまるため、1日1回、時間を決めて続けるのが習慣にしやすい方法です。
ジェルを嫌がって口を閉じてしまいます。
味やにおいが合っていない、口を触られることにまだ慣れていない、のどちらかが多い原因です。ジェルを少量だけ指にのせてなめさせ、口に触れずに終えるところからやり直してください。
参考情報
- WSAVA Global Dental Guidelines(World Small Animal Veterinary Association (WSAVA), 2020)
- AAHA Dental Care Guidelines for Dogs and Cats(American Animal Hospital Association (AAHA), 2019)
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりになるものではありません。体調の変化や気になる症状があるときは、早めにかかりつけの獣医師にご相談ください。 文:ANIMALITY JOURNAL 編集部(株式会社あにまる製薬)