猫の歯磨きが難しいときのデンタルケア|歯ブラシ以外の方法を比べる
文:ANIMALITY JOURNAL 編集部(株式会社あにまる製薬)
歯磨きをどうしても嫌がる猫には、ガーゼ、飲み水に混ぜるもの、フードにかけるもの、デンタルケア用のフードやおやつといった方法があります。それぞれの手間と猫の性格との相性を比べ、受け入れてもらうための工夫と、口の中のチェックで見ておきたい点、受診の目安をまとめました。
KEY POINTSこの記事のポイント
- 歯ブラシが難しい猫には、ガーゼ・飲み水・フード・おやつの4つの方法があります。
- 猫は変化に敏感なので、新しい方法は少量から、1つずつ試します。
- どの方法でも、定期的に口の中を見て、動物病院で診てもらう機会をつくります。
猫の歯磨きは、犬よりも難しいと感じる飼い主さんが多いケアです。口元を触ろうとすると逃げる、押さえると怒る。一度嫌な経験をすると、しばらく近寄ってこなくなる猫もいます。
この記事では、歯ブラシが難しい猫のための方法を比べ、猫の性格に合わせた選び方を整理します。歯ブラシに慣らす手順は猫の歯磨きのやり方にまとめています。
まず知っておきたいこと
歯の表面の歯垢は、こすって落とすのが基本です。ここで紹介する方法は、歯磨きが難しい間も毎日のケアを途切れさせないための選択肢です。
すでに歯石がついている、歯ぐきが赤い、口が臭うといった場合は、方法を選ぶ前に動物病院で口の中を診てもらってください。口臭の原因と受診の目安は猫の口臭の原因で整理しています。
歯ブラシ以外の4つの方法
| 方法 | 手間 | こする要素 | 合いやすい猫 |
|---|---|---|---|
| ガーゼで拭く | 少ない | ある | 顔や口元を少しなら触らせてくれる |
| 飲み水に混ぜる | ほとんどない | ない | 口を触られるのを強く嫌がる。水をよく飲む |
| フードにかける | ほとんどない | ない | 食べることが好き。食の好みが固まりすぎていない |
| デンタルケア用のフード・おやつ | ほとんどない | 噛む動きのみ | カリカリをよく噛んで食べる |
ガーゼで拭く
指にガーゼを巻き、奥歯の外側を数秒なでます。猫の歯垢は、上の奥歯の外側にたまりやすいといわれています。口を大きく開けさせる必要はなく、唇を少しめくるだけでできるので、歯ブラシより受け入れてもらいやすい方法です。
飲み水に混ぜる
いつもの飲み水に加えるだけのタイプです。口を触らずに続けられるので、触られるのを強く嫌がる猫に向いています。猫はもともと水を飲む量が少ない動物なので、器の数や置き場所を工夫して、水を飲みやすい環境もあわせて整えます。
フードにかける
いつものごはんにふりかけるタイプです。食べることが好きな猫なら、特別な時間をつくらずに続けられます。食べ物のにおいの変化に敏感な猫も多いので、ごく少量から始めます。選び方はデンタルふりかけの選び方で紹介しています。
デンタルケア用のフード・おやつ
粒の形や大きさを工夫し、噛むときに歯の表面に刺激を与えるよう設計されたものがあります。主食を切り替える場合は、1〜2週間ほどかけて少しずつ混ぜる割合を増やします。
猫に受け入れてもらうための工夫
- 新しい方法は1つずつ試し、1〜2週間ほど様子を見る
- 飲み水やフードに加えるものは、表示の目安より少なめから始める
- 加えていない水の器も残し、飲む量が減っていないか確かめる
- ガーゼは、猫がリラックスしている時間(寝起きや、なでられて喉を鳴らしているとき)に試す
- 嫌がったらすぐにやめ、次の日にもう一度短く試す
月1回の口のチェック
どの方法を選んでも、口の中の変化に気づくためのチェックは続けます。
- 歯の色:白からクリーム色か。茶色い汚れがついていないか
- 歯ぐきの縁:赤い線のようになっていないか
- においの変化:前より強くなっていないか
- 食べ方:片側で噛む、食べこぼしが増えた、カリカリを避けるようになった
- よだれ:口のまわりや前足が濡れていないか
猫の性格別の組み合わせ例
| 猫のタイプ | 始めやすい組み合わせ |
|---|---|
| 口元を触ると逃げる | 飲み水に混ぜる方法を中心に、なでながら口元に触れる練習 |
| 少しなら触らせてくれる | ガーゼで上の奥歯の外側を数秒。飲み水やフードの方法を組み合わせる |
| 食べることが好き | フードにかける方法か、デンタルケア用のフード |
| 水をあまり飲まない | フードにかける方法。水飲み場を増やして飲みやすい環境もつくる |
| 食の好みがはっきりしている | ガーゼでのケアを中心に。食べ物に加えるものは、ごく少量から試す |
多頭飼いの場合は、ほかの猫の器の水を飲むこともあるため、飲み水に加えるものは対象年齢と量の表示を、すべての猫に当てはめて確認してください。
こんなときは動物病院へ
まとめ
歯ブラシが難しい猫には、ガーゼ、飲み水、フード、おやつの中から、その猫が受け入れやすい方法を選んで、毎日のケアを途切れさせないことを優先します。変化に敏感な猫には、少量から1つずつ試すのが基本です。
あにまる製薬の ORALIS(犬猫用デンタルウォーター)は、飲み水100mLに小さじ1杯(約5mL)を混ぜて使うデンタルウォーターです。歯みがきが難しい子の毎日のケアの選択肢として検討してみてください。生後3か月から、猫にも犬にも使えます。
よくある質問
猫に歯磨きは本当に必要ですか。
猫も歯垢や歯石がたまり、歯ぐきの炎症が起こりやすい動物です。歯ブラシが難しい場合でも、できる方法で毎日のケアを続け、定期的に口の中を確認してもらうことが大切です。
飲み水に何か混ぜると、水を飲まなくなりませんか。
においや味の変化に気づいて飲む量が減る猫もいます。最初は混ぜていない水の器も残しておき、両方の減り方を比べてください。飲む量が明らかに減るようなら、その方法は合っていないと考えます。
猫用のデンタルおやつは毎日与えてもよいですか。
製品の表示にある量を守り、1日のおやつの量に含めて考えてください。猫は体が小さいので、おやつのカロリーが体重に影響しやすい点に注意します。
口の中を見せてくれません。
無理に口を開けるのは避けてください。あくびのタイミングで観察する、唇を少しめくって奥歯の外側だけを見る、といった方法から始めます。見られない場合は、健康診断で口の中も見てもらうよう伝えてください。
参考情報
- WSAVA Global Dental Guidelines(World Small Animal Veterinary Association (WSAVA), 2020)
- 猫の歯と口の健康に関する飼い主向け情報(International Cat Care)
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療の代わりになるものではありません。体調の変化や気になる症状があるときは、早めにかかりつけの獣医師にご相談ください。 文:ANIMALITY JOURNAL 編集部(株式会社あにまる製薬)